こじカフェ(小島喜画が運営するカフェ)の予約用電話番号を公開したら、営業電話が殺到してきました。

そのうちの1件に出てみたところ、案の定、詐欺まがいだと感じる内容でした。

僕も1人の事業者として、営業活動の重要性は理解しています。

おそらく電話をしてきた相手も、営業成績やノルマ、会社の業績など、何かしらの数字目標の達成を目指しているのでしょう。

これこそまさしく「手段が目的になっている」典型例だなと思いました。

本来、営業とは、自社の商品やサービスを必要としている人に届けるための手段のはずです。

それなのに、とにかく電話をかけること、アポイントを取ること、契約を取ることだけが目的になってしまう。

こうした営業が増えれば、きちんと真面目に架電営業をしている人の邪魔にしかなりません。

架電営業そのもののイメージまで悪くしてしまいます。

そして、ふと思いました。

そのまま同じ架電営業の仕事を続けた先に、何があるのか。

自分が売っているものを、本当に良いと思っているのか

今回の電話では、
「お世話になっております!」
という先方の第一声から始まった時点で怪しさを感じ取り
「7月にお電話をした件で、確認です」
といった謳い文句で「迷惑電話」が確定しました。

ただ、あいにく今かけている電話番号は、8月下旬に契約したばかりです。

つまり、7月にこの番号へ電話をかけることはできない。

「間違いですよね?」
という僕からの問いに対しては
「こじカフェさんですよね?」
と返してくる始末で、怪しさに拍車がかかるばかり。

おそらく用意されたマニュアルがあって、その通りに電話をしているのでしょう。

マニュアル通りに、ただ作業的に電話をしている自分のことを、自分自身はどう捉えているのか。
自社のサービスや商品を、本当に良いものだと思っているのか。
もし本当に良いものだと思っているのなら、入り口を間違えていないか。

そんなことまで考えてしまいました。

「あなたにとって、その架電営業はどんな成長をもたらすと思いますか?
メンタルの強化?それとも押し売り技術の習得ですか?」

もちろん、そんな風に聞き返すまでもなく、相手から電話を切られました。

電話営業そのものを否定するつもりはありません。

僕自身も事業をしている以上、自分たちの商品やサービスを知ってもらうための営業活動は重要だと思っています。

だからこそ、
「誰に、何を、なぜ届けるのか」
は、とても大切なのではないでしょうか。

そもそも、うちの何を知って電話をしてきたのか

今回、どんなサービス内容なのかまでは聞いていません。

でも、そもそもうちのカフェにどんなメリットがあると思って電話をしてきたのか。
うちのどんな悩みを解決できると考えているのか。
そもそも「こじカフェ」のことをどれくらい知っているのか。

蕎麦屋に入って、
「おすすめはラーメンです」
と言われたら、どう思うでしょうか。

どれだけ良い商品だったとしても、相手のことを知らずに売ろうとすれば、そんな状態になってしまいます。

商品を売る前に、まず相手を知る。

何に困っているのか。
何を大切にしているのか。
どんな人に届けたいと思っているのか。
その商品やサービスが、本当にその人の役に立つのか。

営業とは、本来そういうところから始まるものなのではないかと思います。

これは、小島喜画の仕事でも同じです

こんなことを考えていると、これは僕が「小島喜画」としてWeb制作やデザインの仕事をするときにも、まったく同じことだと気づきました。

いきなり、
「ホームページを作りましょう」
「SEOをやりましょう」
「SNSを始めましょう」
と提案したところで、それがその人にとって本当に必要なのかは分かりません。

もちろん、そんなことはしませんが。

僕は、まず相手のことを知ることを大切にしています。

何に困っているのか。
どんなお客様に来てほしいのか。
これから、どんな事業にしていきたいのか。
そして、自分たちでは当たり前だと思っているけれど、実は他にはない魅力は何なのか。

話を聞いていく中で、本人たちも気づいていなかった強みが見えてくることがあります。

その強みを言葉にして、デザインにして、Webサイトという形にして届けていく。

僕が小島喜画としてやりたいのは、そういう仕事です。

Webサイトを作ることも、デザインすることも、SEOをすることも、すべて手段にすぎません。

大切なのは、その先にある目的です。

手段が目的になってしまえば、今回の営業電話と本質的にはあまり変わらないのかもしれません。

そんなことを考えていたら、こじカフェの強みが浮かんできた

営業電話についてあれこれ考えているうちに、今度は逆に、

「では、僕たちは何を提供しているのだろう?」と考え始めました。

すると、こじカフェの強みが次々と頭に浮かんできました。

新鮮なスペシャルティコーヒーを仕入れ、注文が入ってから豆を挽き、淹れたてのサイフォンコーヒーを提供。

前日に仕込むグルテンフリースイーツは、すべて手作り。

きび砂糖や白味醂などを使い、素材を活かした自然な甘さを大切にしています。

できる限り、いつも作りたてのものを提供しています。

アンティークの家具や照明も、長い時間をかけて一つひとつ集めてきました。

ただ古い家具を並べているわけではありません。

店内の雰囲気や、僕たちが届けたい「非日常でありながら、どこかフレンドリーな空間」に合うものを選んできました。

美味しいコーヒーやスイーツを提供することは大前提です。

でも、それだけではありません。

そこに空間があり、人との交流があり、丁寧であたたかい接客があります。

僕らのカフェでは、コーヒー、スイーツ、空間、人とのつながり、そのすべてが揃った「場所全体」を楽しんでもらうことを意識しています。

なぜ、「こじカフェ」で飲む必要があるのか

コンビニでも美味しいコーヒーを買える時代になりました。

もっとリーズナブルなカフェも、たくさんあります。

そんな中で、

なぜ「こじカフェ」でコーヒーを飲む必要があるのか?
なぜ「こじカフェ」に足を運ぶ必要があるのか?

これは、お店を続けていく以上、僕たち自身がずっと考え続けなければいけない問いだと思っています。

僕たちが提供しているコーヒー。

手作りのスイーツ。

時間をかけて集めた家具や照明。

そこで生まれる会話。

そして、僕たちなりの接客。

僕たちが提供しているものすべてに、その答えがあります。

一杯のコーヒーだけを売っているわけではありません。

「ここで過ごす時間」そのものを楽しんでもらいたい。

そんな場所を、僕たちは作ろうとしています。

普段、小島喜画としてクライアントの強みを一緒に探し、それを言葉やデザインにしている僕自身が、一本の営業電話をきっかけに、自分たちの事業の強みを改めて言葉にすることになりました。

なんだか、不思議なものです。

本気の営業には、本気で応えます

そして、これからこじカフェへ架電営業をしようとしている方には、まずこの内容をしっかり読んでいただいた上で、電話をしてきてほしいと思います。

こじカフェがどんな場所なのか。

僕たちが何を大切にしているのか。

どんな悩みがあり、あなたの商品やサービスがその悩みをどう解決できるのか。

そこまで考えた上で、
「これは、こじカフェに本当に役に立つ」
と思って電話をしてくださるのであれば、ぜひ話を聞かせてください。

本気の営業には、本気で応えます。

そして最後に。

こんな風に、改めて自分たちの強みを言語化できるチャンスをくれた「迷惑営業」さんには、お礼を伝えるべきなのかもしれません。

そう考えると、あの一本の電話も、まったくの無駄ではなかったのかもしれません。