「Webデザイナーなのに、なんでカフェをやっているのか?」

気になる方は多いと思います。
Web制作やグラフィックデザインを仕事にしている人間が、飲食店を始める。
一見すると、まったく違う仕事に見えるかもしれません。

僕自身も、もともと「Webの仕事に活かすためにカフェをやろう」と考えて始めたわけではありません。
でも、実際にカフェを立ち上げ、運営してみると気づきました。

これまで小島喜画として取り組んできたことが、驚くほどカフェに活きています。
そして逆に、カフェを経営しているからこそ分かることが、本業にもたくさんあります。

今では、こじカフェそのものが、小島喜画にとって大きな実績のひとつになっていると思っています。

カフェをつくる前に、まず「どんな場所にしたいのか」を考えた

カフェを始めるとき、最初に考えたのはロゴでもWebサイトでもありませんでした。

「どんなカフェにしたいのか?」

ということです。

誰に来てほしいのか。
どんな時間を過ごしてほしいのか。
自分たちは何を提供したいのか。
他のカフェではなく、「こじカフェ」を選んでもらう理由は何なのか。

こうしたことを、夫婦で何度も話しました。

その中から、
美味しいコーヒーやスイーツだけではなく、会話や空間も含めて楽しんでもらうこと。
アンティークの非日常感がありながら、気軽に話せるフレンドリーな場所であること。
そんな「こじカフェらしさ」が少しずつ見えてきました。

振り返ってみると、これは普段、小島喜画としてクライアントと一緒に行っていることと同じです。

いきなりデザインを始めるのではなく、まず事業について話を聞く。
強みや特徴を整理する。
「何を伝えたいのか」を言葉にする。
そして、その内容をデザインに落とし込んでいく。

こじカフェでは、それを自分自身の事業で実践することになりました。

言葉にしたものを、デザインにしていく

方向性が見えてきたら、それを一つひとつ形にしていきました。

ロゴ、Webサイト、ショップカード、メニュー、看板、SNSの投稿、写真、文章。

どれも単体で作っているわけではありません。
「こじカフェは、どんな場所なのか」という一つの軸を持ちながら、言葉やデザインを積み重ねています。

例えばロゴだけ格好良くても、Webサイトの雰囲気がまったく違えば、ブランドとしてはちぐはぐになります。
Webサイトがおしゃれでも、実際にお店へ行ったときの雰囲気がまったく違えば、お客様は違和感を覚えると個人的には思っています。

だから、Webサイト、グラフィック、店舗、接客、商品、SNS、そのすべてで、できる限り同じ「こじカフェらしさ」を感じてもらえるようにしています。

これも、小島喜画がこれからもっと大切にしていきたい仕事です。

作って終わりではなく、実際に運営してみる

そして、カフェをやって一番大きかったのは、「作った後」を自分自身で経験できたことかもしれません。

Webサイトを公開したから、お客様が来るわけではありません。
ロゴを作ったから、売上が増えるわけでもありません。
チラシを作っただけで、お店が繁盛するわけでもありません。

実際には、その後があります。

SNSで発信する。
Webサイトを更新する。
イベントを企画する。
メニューを改善する。
お客様の反応を見る。
アクセス数を見る。
売上を見る。
思ったようにいかなければ、また考える。
そして改善する。

事業は、作って終わりではありません。
むしろ、作ったところから始まります。

これはWebサイトもまったく同じです。

以前から「Webサイトは作って終わりではない」とクライアントに伝えてきました。
でも、自分自身で店舗を運営するようになって、その言葉の意味を以前より強く実感するようになりました。

「集客してください」と言われる側から、集客する側へ

Webの仕事をしていると、「問い合わせを増やしたい」「もっとお客様に来てもらいたい」「売上を上げたい」という相談を受けます。

もちろん、これまでも一緒に考えてきました。
でも、カフェを始めてからは、その言葉の重みが少し変わりました。

僕自身も、「今日はお客様が少ないな」「このイベント、どうやったら知ってもらえるだろう」「この投稿は反応が良かったのに、こっちはあまり見られていない」「価格はこれでいいんだろうか」「また来てもらうには何が必要だろう」と考える側になったからです。

広告費も、自分のお金です。
制作費も、設備費も、仕入れも、人件費もあります。
売上がなければ、事業は続けられません。

だからクライアントから「集客したい」と相談されたときも、以前より少し違う角度から考えられるようになった気がします。

単に「SEOをやりましょう」「SNSを更新しましょう」と提案するのではなく、
その施策をやる意味はあるのか。
誰に届けるのか。
その先でどう売上につながるのか。
そもそも、その事業の魅力はきちんと伝わっているのか。

より事業者側の目線で考えるようになりました。

こじカフェ自体が、小島喜画の実績です

制作実績というと、一般的には「このWebサイトを作りました」「このロゴをデザインしました」というものをイメージすると思います。

もちろん、それも大切な実績です。

でも、僕は今、こじカフェで取り組んでいること全部が、小島喜画の実績だと思っています。

コンセプトを考える。
強みを整理する。
言葉にする。
ロゴをつくる。
Webサイトをつくる。
写真を撮る。
SNSで発信する。
実際に店舗を運営する。
お客様の反応を見る。
数字を見る。
改善する。
また発信する。

一つの事業を立ち上げて、育てていく。

その過程そのものが、小島喜画が提供したい仕事に近いからです。

デザイナーでありながら、事業者でもある

僕はWebデザイナーであり、グラフィックデザイナーです。
でも今は、それと同時に、一つのカフェを経営する事業者でもあります。

これは、小島喜画にとって一つの強みになると思っています。

デザインする側の気持ちも分かる。
Webを運用する側のことも分かる。
そして、事業を経営する側の悩みも分かる。

「いいデザインを作りたい」という視点だけではなく、「このデザインが、事業にどう役立つのか」まで考えたい。

Webサイトを作ることが目的ではありません。
ロゴを作ることが目的でもありません。

その会社やお店の魅力を見つけ、それを必要な人に届け、事業が少しずつ良くなっていくこと。
そのためにWebやデザインがあります。

一緒に「つくる」だけではなく、一緒に「育てたい」

僕がこれから小島喜画で増やしていきたいのは、「ホームページを作ってください」という仕事だけではありません。

「これからこの事業をどうしていこう?」

というところから相談してもらえる仕事です。

強みを一緒に考える。
言葉を一緒に考える。
必要ならWebサイトを作る。
ロゴやチラシも作る。
公開した後は数字を見ながら改善する。
事業が変われば、Webサイトも変えていく。

一度作って終わりではなく、一緒に事業を育てていく。

こじカフェは、その考え方を自分自身で実践している場所でもあります。

うまくいくことばかりではありません。
集客に悩むこともあります。
思ったより反応がないこともあります。
やってみて初めて分かることも、たくさんあります。

でも、だからこそ、その経験をクライアントの事業にも還元できると思っています。

カフェをやることも、小島喜画の仕事につながっている

Webデザイナーがカフェをやる。

以前の僕だったら、それぞれ別の仕事として考えていたかもしれません。
でも今は、そう思っていません。

小島喜画で培ってきた、ヒアリング、言語化、ブランディング、Web制作、グラフィックデザイン、発信、運用、改善。
そのすべてを、こじカフェで実践しています。

そして、カフェで経験したリアルな悩みや気づきを、また小島喜画の仕事へ持ち帰っています。

小島喜画から、こじカフェへ。
こじカフェから、小島喜画へ。

この二つの事業を行き来しながら、お互いを少しずつ育てていく。

僕にとってカフェをやる理由の一つは、そこにあるのかもしれません。

そして、この経験を活かして、クライアントとも同じような関係を作っていきたい。

何かを「作る人」だけではなく、一緒に考えて、一緒に試して、一緒に育てていく人。

そんなWeb・デザインのパートナーでありたいと思っています。